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小っ恥ずかしい2人

 

どさりと音を立てながらベッドになだれ込めば、いつもはツンとすましている海馬がきょとんとした表情でこちらを見上げた。

 

「ゆ、遊戯…?」

 

何がなんだかわからないと言ったふうに目を丸くする海馬のあどけない顔に、キュンと胸が高鳴る。

 

「海馬。今俺は、お前を押し倒しているんだぜ」

 

できる限り声色を優しくしてそう言えば、漸く自分が今から何をされるのか理解したらしい。海馬の白い頬が真っ赤に染め上がるのを見下ろしながら見ている俺は、締まりのない顔をしているに違いない。
その事実に気付いた途端に、海馬は目に見えて焦っているのが分かる。妙に目線がうろちょろしたかと思えば、下唇を噛んで気恥しそうに俯いた。
滅多に年相応の仕草などしない海馬が、あわあわとしながら生娘のように顔を赤らめるのが意外で、なんだかこちらまでどぎまぎしてしまう。
お互いが顔を真っ赤にしながら固まっていると、海馬が赤い顔をそむけながらこちらを見つめてきた。

 

「その…し、しない、のか」

 

ギュッと俺の服の裾を掴みながら恥ずかしそうに問い掛けてきた海馬に、思わずクラりと目眩がする。

 

「可愛すぎるぜ…お前…」

 

完全にノックアウトされた俺がそう呟けば、さらに困惑した海馬が涙目でぽかりと俺の胸を叩いてきた。

 

「馬鹿者…っ!俺がこんなになるのは、貴様のせいだ!」

 

顔を真っ赤にして、青い目の端に涙を溜めた海馬がそう叫ぶな否や、チュッと唇にキスを一つ落としてきて、首に腕を絡めて抱き着いてくる。

嗚呼もう!そんなに煽らないでくれないか!止まれなくなっても知らないぜ!

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