社長曰く、EDではない
「海馬ボーイ…もう終わりですか…?」
呆れたように俺の下で囁くペガサスに、フラフラになった体をなんとか支えながら口を開く。
「貴様…まだヤる気か…」
「当たり前デース!久々に会ってたったの4回だなんて…それでもティーンですか?!」
げっそりとしている俺とは対象的に、ハキハキと喋り未だ萎えることのないペガサスの様子に、ハアと深い溜息がでる。
「日本人の性欲とは元来こんなものなのだ!若い若くないは関係ない!」
全てを出し尽くしたと言っても過言ではない俺のソレは、恐らく暫くはもう起たないだろう。
それなのにペガサスの方はと言えば、簡単に言えばフルなんちゃらとか言うやつだしで、種別の差とは恐ろしいなと柄にも無く思う。
俺がバテていれば、ジト目で俺を睨むペガサスが、残念だと言わんばかりに盛大に息を吐いた。
「海馬ボーイはきっとジャパニーズでも稀な存在でしょうね…可哀想に」
「………言ったな貴様ぁぁ…!」
馬鹿にされたように溜息を疲れた上に、同情に近いような侮辱までされてしまえば、さすがに俺でもカチンと来た。
よかろう…ならば、俺の全力を拝ませてやる…!
「フハハハハ…!ならば来週を楽しみにしていろ…!すっぽんでもニンニクでも朝鮮人参でもなんだろうと全て平らげ貴様に止めろと言われても止めないような男になってやろうではないか!!」
――ワハハハハハハ!!
高笑いしながらそう一息で宣言してやれば、ペガサスが微妙な顔をしながら呟いた。
「…アー…海馬ボーイ……。隣の部屋まできっと、響いてマース…」
高らかに大声で笑う俺には、その呟きは聞こえなかった。
その翌日に、ホテルのオーナーから磯野が何か言われたらしいが、鰻を貪っていた俺には関係のない話だ。